[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
クライアント)
半年前くらいから、めまいがはじまり歩行を含め(杖が必要)、家事などにも影響がでてきている。
また活発な性格だったが、最近では 何もやる気がでないという。
・女性:70代
・右手骨折(尺骨)の後遺症で右手を使うとかなり痛みがでる。・・・病院で神経がずれていると診断され手術をする予定。
・噛み合せが悪い。
---------------------------------------------------------
◆「めまい」は何故おこるのか?
耳は、外側から3つのエリアにわけて名前がついています。耳の穴から鼓膜までを外耳、鼓膜の奥の鼓室から耳管をあわせて中耳、その奥にある前庭・半規管、蝸牛を内耳です。
平衡バランスは、一番奥の内耳でキャッチした身体の位置情報が前庭神経を通って、小脳や大脳へと伝えられます。
「めまい」は、このしくみのどこかに障害が生じると起こります。(真性めまい)その他にも平衡バランスシステムに異常がなくても、血圧や内分泌系などの全身の病気が原因の場合やストレスなどが原因の場合もあります。(仮性めまい)
◆「めまい」の種類
「めまい」は大きく4つに分類できます。
① 回転性めまい:「ぐるぐる回転する」ように自分自身や周囲が回転するように「感じます。
② 浮動性めまい:「ふわふわする」感じで、脳幹や小脳に虚血が起こることによって起きます。
③ 失神、前失神:「立ちくらみ」や、「気が遠くなる感じ」で目の前が真っ暗になったり、冷や汗、悪心がでたりします。
④ 心身ストレス性めまい:情緒不安定や、うつ病などのメンタルの問題で起きます。「頭がふらふらする」「目がくらむ」「倒れそう」など表現されます。
◆めまいの原因原因がどこにあるかによって分類されます。
① 末梢性:
内耳(三半規管や耳石器など)や前庭神経に問題がある場合。
・メニエール病やメニエール症候群:反復性と難聴や耳鳴りを伴います。自律神経障害や内耳の循環障害でリンパ液が過剰に溜まってしまい(内リンパ水腫)、身体が傾いているという誤った情報が脳へ送られます。
・良性発作性頭位眩暈症:頭を特定の方向へ動かす(寝返りや起き上がる動作など)ことで起こります。前庭器(耳石器)の耳石の異常が関係します。
・前庭神経炎、:脳へ情報を伝達す神経なので、治療が遅れると難聴や顔面神経マヒなどが起きます。
② 中枢:
脳幹部や小脳に血流が不足する為に起こります。腫瘍や脳出血、梗塞による血流障害により起きるめまいです。「身体が傾いている」という情報は脳まで届きますが、それに対応した姿勢や目の動きの調整ができません。
・椎骨脳底動脈循環不全
③ 循環系:
血圧の問題、動脈硬化症などの循環系の問題や、高脂血症・糖尿病などの内分泌系の問題により脳の血流が一時的に減少して起きる全身の病気からが引き起こされます。
・甲状腺機能低下
④ 心因性:過度のストレスによるうつ症状などや自律神経失調症により起こるめまい。
◆まずは病院で検査
普通は耳鼻咽喉科ですが、めまい専門の科で、めまい外来、平衡神経科、神経耳科などもあります。突然めまいを起こして倒れて、目の焦点が動かないときは脳梗塞、脳出血の疑いがあるので救急車で病院へいってください。また激しい頭痛・視力障害、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状が伴うときは、中枢性の疑いがあるので脳神経外科になります。(わからない時は病院に相談してください)
◆オステオパシー的アプローチ◆
このクライアントの方に確認すると、「まるで雲の上をあるくようなフワフワした感じ」という表現だった。
この段階で、「浮動性めまい」の可能性が高く、半年以上たっていることや、激しい頭痛はないとのことから急を要する状態のものではないと感じた。
まずは、全身検査をすると、身体が全体的に右へ傾いている。本人も右肩が凝って仕方がないとのこと。検査をすすめると、右への傾きのおもな原因は、数年前に骨折した右手首であると判った。身体は全体的に右へ強くひっぱられており、その補正として頭部は反対の左へ傾いている。
一番、影響をうけているのが、後頭蓋窩で強い変位と圧迫がみられた。
この部位の変位があると、椎骨動脈の循環が障害されやすい。
これにより「椎骨脳底動脈循環不全」の疑いが高く小脳への血流が不足していると考えられる。
まずは、右手首の制限をとり、脊柱と頚椎を調整。
その後、頭蓋調整により、後頭骨の位置の調整、および脳幹の位置の調整を行い小脳への血流を回復させる。
ちなみにこのクライアントの頚椎は歪みが強く、めまいだけでなく、顎関節や噛み合せにも影響を与えている感じもある。
調整直後は、ふらふら感が消失。1週間後に来院された時には ふらつき感が少し戻るが、残りの制限を改善していくことで、3回目の来院時には、杖なしでかなり早く歩くことができるようになった。
この方の場合、内臓など他の部位の問題もあり、現在も調整を行っている。右手首の痛みもかなり軽減している。性格も活発になり、趣味の活動も行えるようになってきた。